人狼ロジックメモ

以前考えたことについての備忘録。
(というより、うおみんからの転載)

m番目の村人の視点で、n番目の選択肢を選んだときの村の利得をG_{nm}
m番目の村人の視点で、k番目の配役予想の確率をp_{km}
n番目の選択肢を選んだときの、k番目の配役予想での村側の利得を g_{nk}とすると、

 G_{nm}=g_{nk} p_{km}
ただし、\forall m , \sum_k p_{km}=1とする。(確率の規格化)




なお、各村人視点に対しては次式が成立する。(m=1のとき)
 \vec{G_n}=g_{nk} \vec{p_k}
ベクトル\vec{G_n}および\vec{p_k}はそれぞれ縦ベクトルである。


A,B,C,D,Eの5人でゲームをしたとき。
配役バランスは、狼1,狂1,祈0,牧1,村2である。(配役公開)
期限は5日目朝までとしている。
自分はEで牧師である。(視点限定: テンソルの階数を減らし、説明を簡単にするため)
また、部屋割りは2人部屋から作り、独房ありとする。

1日目部屋割り

A→B(AがBを指名)
C→D
E(独房)

2日目朝

B,Dが死亡
A,Cはそれぞれ、「自殺された」と主張している。


このとき、A,Cのどちらかが狼であり、どちらかが村人である。
その確率はほぼ半々であると言える。
このときのリンチ時の選択の利得を考える。
村が完全に勝利する場合、利得を1、
狼が完全に勝利する場合、利得を-1となるようにする。


まず、配役の可能性は全部で以下の2つだけである。

  1. A狼、C村、E牧師(確率p_1=\frac{1}{2})
  2. A村、C狼、E牧師(確率p_2=\frac{1}{2})

よって、確率ベクトル\vec{p}は次のように書ける。
 \vec{p_k}=\left( \begin{array} \frac{1}{2} \\ \frac{1}{2} \end{array} \right)


次に、利得を計算する。
村側の選択肢は全部で4つ。

  • Aリンチ(選択肢1)
  • Cリンチ(選択肢2)
  • Eリンチ(選択肢3)
  • 割り(選択肢4)


これらの選択肢を選んだときの利得について考える。

Aリンチ(選択肢1)

Aをリンチしたとき、村人は勝てるだろうか。
Aが狼だったら勝てる、Cが狼だったら負けるということになる。
つまり、g_{11}=1,g_{12}=-1となる。

Cリンチ(選択肢2)

Cをリンチしたとき、村人は勝てるだろうか。
Cが狼だったら勝てる、Aが狼だったら負けるということになる。
つまり、g_{21}=-1,g_{22}=1となる。

Eリンチ(選択肢3)

Eをリンチしたら、A,Cどちらが狼であっても、村側が負ける。
つまり、g_{31}=-1,g_{32}=-1となる。

割り(選択肢4)

投票順がEが最後となってしまった場合有効となるが、他の投票順の時は選べないかも?
2日目夜に狼が牧師Eを噛んだとき勝つことが出来る。
その確率はほぼ半々とする。(半々とする: 厳密にはやや村側有利と考えられるが、ここでは割愛致します。)
とすると、A、Cどちらが狼であっても、リンチ後の時点ではイーブンと思われる。
つまり、g_{41}=0,g_{42}=0となる。


以上により、利得行列は次のようになる。
g_{nk}=\left( \begin{array} 1 && -1 \\ -1 && 1 \\ -1 && -1 \\ 0 && 0 \end{array} \right)


すると、リンチ後の利得は以下のように書ける。
 \begin{eqnarray} \vec{G_n} &=& \left( \begin{array} 1 && -1 \\ -1 && 1 \\ -1 && -1 \\ 0 && 0 \end{array} \right) \left( \begin{array} \frac{1}{2} \\ \frac{1}{2} \end{array} \right) \\ &=& \left( \begin{array} 0 \\ 0 \\ -1 \\0 \end{array} \right) \end{eqnarray}


従って、
各選択肢に対する利得は次のように計算できた。

  • Aリンチ(選択肢1)=0
  • Cリンチ(選択肢2)=0
  • Eリンチ(選択肢3)=-1
  • 割り(選択肢4)=0

よって、Eリンチでは確実に村が負けるが、それ以外の選択肢はイーブンである。
(配役確率(推理)が変われば、当然利得も変化する。)



以上。
長いメモ。