人狼に於ける理論的計算について

今まで、ゲーム理論人狼の理論的予測(勝率計算など)に使える可能性を示唆してきましたが、
これは相当に骨が折れることがなんとなく分かってきました。
大きく分けて3つあります。
書いてみたところ、どれも結局最後のに集約されそうではあります。

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第一に、「ルールを数学的に記述しなければならない」という点です。
つまり、会話的要素を一切排除する必要があるということです。
これを数学的に記述できるのならば、取り入れることができます。
が、会話の内容はほとんど枠にとらわれていませんので、膨大な計算が必要となりそうです。

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第二に、確率の依存性です。

例えば、2人の狼が別の部屋にいたとします。
片方の狼が同室者を食いにかかります。
このとき、片方の狼の結果によって、もう一人の狼の行動が変わってくるはずです。

  • 先に噛んだほうが食べることができたら、もう一人は噛みにくい?
  • 先に噛んだほうがブロックされたら、もう一人の狼は噛みにくい?
  • 先に噛んだほうがカウンターされたら、もう一人の狼は噛みやすい?

などです。
これは個々人によって確率が変わってくるので、調査などで適当な値を入力するしかありません。
が、用意すべき確率が多くなりすぎます。
一晩だけでもこれだけ用意しなければなりませんが、その先をすべて含めると、かなり膨大です。
しかも、それぞれは互いに独立ではなく、前に起こった事件と依存した発生確率をもっています。
この膨大な確率はおそらく理論的な説明をするのは大変だと思います。
なぜなら、「噛む時点での狼による理論計算」を使って、「実際に勝率を計算している人の理論計算」です。
答えを出すためには、答えが必要なるわけです。

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最後に、計算自体の煩雑さです。

自分の考えでは理論的計算を行うためには、
人狼のゲームの各フェーズに対して、ほぼ2通りの計算方法が選択できます。
大雑把に言って主体的か、ランダムかです。

「主体的」というのは、ゲーム理論で謳われていることです。
つまり、自分が有利になるように行動するということです。
一方の「ランダム」というのはこれをなるべく排除しようとするものです。
もちろん、ランダムのほうが、計算を簡素化できますが、すべてランダムにするとまったく意味がありません。

重要なポイントや主体の決定が支配的なところ(噛みや自殺など)は「主体的」な確率を導入し、
余り重要でないところやサイコロなどに左右されやすいところ(部屋割りなど)はランダム性を強めて計算を簡素化する必要がありそうです。

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で、8スタのとある1日を計算するのにえらい時間とページがかかっています。
たった1日だけなのに。