狼を騙しつつ村人を騙さない

村側偽ブロックという手があります。
この手について少し考えます。


まず、この方法には大きく分けて2種類の技があります。

  1. その日のうちに撤回する
  2. 後日撤回する(あるいは、撤回しない)



1.は会議のしょっぱなに言うことで、狂人の偽ブロックの動きを抑制する働きがあります。
従って、狂人が動きにくくなります。
狂人が動かなければ、人狼が動いた分しか容疑者が発生しないことになり、村側は推理が容易になります。
(自殺していれば意味がないけれども)
この作戦は部屋割りが2人部屋基準でないと使用が難しい、ということも挙げておきます。
3人部屋で狂人が偽ブロックをしてくるためには、部屋の中からいってくるため、
あまり抑制効果がないということが理由として挙げられます。


2.は狼に狂人を誤認させ、生き残ろうとする作戦になります。
最も効果的なのは、1日目夜に死者が居ない場合に村人(非牧師・非祈祷師)が偽ブロックをし、
(死人が無ければ、リンチが無いケースが多い。)
2日目夜の部屋割りで狂言をした村人が狼に指名されないようにして、
狼が、狂人または牧師・祈祷師を噛む確率を上げると言う効果でしょう。
ただし、村人を騙してしまうため、推理を間違えてしまう可能性が考えられます。


本題はこの次です。


狼を騙し、尚且つ村を騙さない、という作戦を考えてみました。
どういうことかというと、上の1と2のよいところを取ります。

  • 1.のよいところは、その日のうちに撤回するため、村人の推理にあまり影響が無いということ。
  • 2.のよいところは、狼を騙すことが出来るということ。

この2つを取り入れるためには、「狼を騙す言葉を会議の時間に言い、狼を騙して『自分が狼だ』と自白させた上でその会議のうちに取り消す」ということを行えばよいです。


これは可能なのかどうかを考えてみました。
一応ありました。
全容は次のようになります。

前提として、祈祷の能力が使用可能であると宣言されていること。(アドバンス初日でないこと)
1. 3人部屋で狼-村(自分、村側で良い)-村(狂人でも可)となる部屋割りを組みます。
2. 狼が自分以外の村人を噛む。
3. 自分はカウンターしていないことを強調する。
4. 部屋の中で、肩代わりカウンター宣言*1を持ちかける。(持ち掛けなくても良いです)
5. 翌日の会議で、カウンター宣言をする。
6. 同室だった狼が、「夜にカウンター宣言をしていた」という証言をすれば、狼確定。しなければ、狼かどうかまだわかりません。
7. 夜にカウンター宣言があったか否かを同室者が証言したら、自分のカウンター宣言を取り消す。

成功すれば(カウンター狂言に乗ってくれば)、自分から見て狼はほぼ確定となります。
(村人がこの狂言に乗って、有利になることはほぼないと思います。)
また、いきなりカウンター宣言が出るので、2人部屋にいた狂人が偽ブロックをするのを思いとどまる可能性があります。
失敗しても、村人の推理に影響を与えることは、恐らくありません。
ただし、この作戦の意図がやや複雑なので、初心者が多いゲームでは使用はオススメできません。


また、実行可能条件がかなり厳しいです。
単に実行可能となるのは、

  1. 自分が3人部屋に入ること
  2. 3人部屋に狼が1人だけ居ること
  3. 自分と狼以外の同室者が村人か狂人であること
  4. 狼が自分以外の同室者を食うこと

の4つです。
それに加えて、メタ的条件が加わります。

  1. その狼が「肩代わりカウンター」の作戦を心得ていること。(あるいは、肩代わりカウンター持ちかけて納得してくれること)

ある程度効果が期待できるのですが、条件が5つもあり、実行確率が低いです。
どういうことかというと、
例えば、単に偽ブロックであれば、(食われさえしなければ)自分の意思で実行できるのに対し、
この作戦は実行までにハードルがたくさんあるということです。

人狼Online (2004.10.26〜2010.10.12) - エラー

一応実行してみましたが、

  • 前フリが大きすぎて狼に警戒されてしまった(あるいは肩代わりカウンターが頭に無かった)こと
  • 村人からの理解を得らなかったこと

の2点が大きく効いて、あまり有利には働かなかったようです。

作戦をより有効に行うためのポイント

夜の部屋の中では狂人だと思わせたほうが有利です。
ですから、偽ブロックを行い、狂人であるという印象を与えましょう
夜の部屋で偽ブロックが起これば、(もし同室に狂人がいれば)狂人は自殺しにくくなります。
狂人自身が容疑者になるようであれば尚更です。
何も起こらなければ、翌日の会議でブロックを取り消します。
「狼に噛まれたくなかったからだ」と言えば、それでいい*2です。
死人が出たら、残っているもう1人の同室者に肩代わりを持ち掛けましょう。
相手が初心者の場合(肩代わりを理解できそうにない場合)、この作戦はやめた方がいいと思います。
もしも、相手が狼で無かった場合にかなり容疑を与えてしまう結果になるからです。


なお、この作戦は裏利用(狼サイドでの利用)も可能です。
どういう風に裏を返せるのかは皆様の判断にお任せします。




作戦の名前を何か考えておくと、後々説明が楽なのだけど、いい名前が思いつきません。
「肩代わりカウンター乗せ騙し」とか、そういう感じの。イマイチ。
「肩代わりカウンター」は良いネーミングだったなあ、と思うけど。

*1:肩代わりカウンター宣言: 狂人のカウンター狂言 - AT-WORLDの「2. 3人部屋で狼が村人を噛む」を参照。

*2:狼に噛まれたくない: 人狼Online (2004.10.26〜2010.10.12) - 戦術テクニック集人狼Online (2004.10.26〜2010.10.12) - Pippin/3人部屋における戦術と推理で紹介されています。狼に狂人ぽく見せる村人での作戦の一つです。